店舗内装の見積金額を下げるためにすべきたった1つのこと

店舗を出店する誰もができるだけ安く出店したいと考えていることでしょう。見積金額を下げようと見積社数を増やしてみたり、仮想物件で空見積を出してもらったりしている会社も多いのではないでしょうか。しかしこれらは決して見積金額を下げることにつながっていません。それでは一体どのようにしたら見積金額を下げることができるのでしょうか見ていきましょう。

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1. 見積金額を下げるには

書類を確認してほほえむ女性

施工会社が見積りをしっかりと作成するためには、みなさんが想像している以上に労力と時間を要します。

しかし見積作成を簡単にできると考えている店舗開発・出店担当者も多いようです。中には「3日で見積書提出してください」というように、無謀なスケジュールを一方的に押し付ける悪質な店舗開発・内装担当者がいるのも事実です。

しかしこういった人たちは、こうした行為がむしろ見積金額を上げる原因となっているということに気づいていないのです。

それでは見積金額を下げるために、店舗開発担当者は一体何をすれば良いのでしょうか。それは見積期間を十分に取ることです。

2. 見積期間が短いと見積り金額が高くなる

それでは見積期間が短いと、なぜ見積金額が高くなってしまうのでしょうか。その理由を見ていきましょう。

2-1 現地調査が十分にできない

施工会社は設計会社からの図面からだけでは読み取れない情報を得るために現地調査を行います。見積期間が短い場合は、この現地調査を十分に実施できない可能性があります。時間があればより現場に近い専門業者と一緒に物件を見ることができますが、そうでない場合は施工会社が自身の分かる範囲で見積を出さなければいけません。

また見積期間が短ければ不動産の都合で、物件を見ることができない場合もありえます。そうすると最悪の場合、施工会社は過去の経験をもとに図面上の情報だけで見積書を作成しなければならないのです。

施工会社は一度出した見積書を取り下げるわけにはいきませんから、赤字物件にならないようにリスクがある場合はそれを見越して、通常よりも少し高めの金額で見積書を作成するしかないのです。

2-2 既存店の分析ができない

店舗内装の見積を算出する作業は図面をしっかりと読み込むところから始まります。そこで実際の工事に必要な資材や工事項目を確認していくのです。

見積金額を安くなるためには、施主が求めている工事品質や工法を把握する必要がありますが、そのためには既存店の分析が欠かせません。ですから実際に既存店に行って細部の仕上がりを確認することも多いのです。

既存店を分析する時間が短いと、見積書の間違いや項目の抜け漏れの可能性も高まり、工期中もトラブルの原因となりうるでしょう。

2-3 職人の手配が困難

施工会社は必要な工事項目に応じて、各専門業者に見積を依頼します。しかし見積期間が短い場合は、ある程度過去の経験から想定して金額を見積るしかありません。そうするとやはり実際に専門業者に依頼する際に赤字がでないように少し高めの見積となってしまいます。

また優良な専門業者は他社からも引っ張りだこで、タイトなスケジュールの依頼は断ることもあるでしょう。つまり急な依頼に対応できる会社は、質が高くないことも考慮しなければいけません。

3. 見積の流れと適切な期間

フローをまとめた図を書く人

見積の作成には最低でも1週間はかかると言われています。それよりも期間が短かったり、繁忙期で他の仕事が重なってしまったりすると、図面の詳細部分まで見る時間が足りず、不測の事態に備えてリスクを費用として見積に計上することになります。施工会社も複数の仕事を抱えているため、リスクを減らすために見積を出すのであれば、実際には2-3週間程度は必要となるのです。

いつ見積もりの作成を始めればいいのかわからないという方も多いでしょう。内装会社のことを知り尽くしたプロがあなたにベストな提案を行います。早すぎるかもしれないと不安な方もまずはお気軽にSHELFYへお声がけください^^
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それでは店舗の見積を依頼された施工管理会社は、どのような手順で見積を作成しているのでしょうか。実際にかかる工数とともに、詳しい手順を見ていきましょう。

3-1 物件状況と図面精査:2-3日

物件の状況や設計図面をもとに、必要な工事を洗い出し、各工事に必要な材料とその数量を計算していきます。必要であれば設計者や施主に質問をして、詳細の部分を詰めていきます。

3-2 専門業者に見積り依頼:4-5日

各工事に必要な専門業者に対して見積を依頼し、あがってきた見積を施工会社が作成している見積書の各工事の金額にあてはめていきます。

この時にメーカーへの問合せが必要な場合は、さらに時間がかかります。特に土日はほとんどのメーカーは営業がストップしてしまいます。

3-3 社内調整:2-3日

各工事項目の原価に自社の利益を加えて見積を作成していきます。最終的に見積が完成したら社内承認をもらい、完成です。

3-4 見積り提出

完成した見積もりを施主に提出します。

4. 時間がない時にすべきこと

半分に切れた時計

ここまで見積期間を短くしないほうがよいと述べていきましたが、会社の事情でどうしても見積期間が短くなってしまう場合があるでしょう。その場合は施工会社が見積りを取りやすいように事前にしっかり準備をしておくことで、見積金額の高騰を最小限に抑えることができます。

それではどのような準備をしておくと見積りを取りやすいのか見ていきましょう。

4-1 既存店の図面や見積のデータを提供する

既存店の図面や見積書は新たに見積書を作成する上で非常に有効な情報となります。

見積金額を下げるためには、施主が求めている工事品質や工法を施工会社が把握する必要があります。それらの情報は、今まで出店してきた店舗が作られた際の図面や見積書に集まっているのです。それらを参照することで、既存店の分析時間を短縮することができるのです。

4-2 既存店を見せる

過去のデータを提供することで、施工会社は既存店の分析時間を短縮することができますが、さらにいえば既存店を見せたほうがよいでしょう。

工法や求める工事の質は過去の図面や見積りだけではわからない部分があります。実際に店舗を見ることによって店舗についての理解がより深まり、見積金額を下げることにつながるのです。

4-3 見積フォーマットを作成する

見積フォーマットをあらかじめ用意しておくことも、見積期間を短くするためには有効な手段です。

見積フォーマットにあらかじめどのような工事項目が必要なのか記入してあれば、ゼロから図面を見て工事項目を把握する必要がなく、時間を短縮することができます。

また店舗開発・出店担当者からしても、フォーマットを利用して見積の中で比べる項目がわかりやすければ、その後の精査の時間を短縮することにつながるのです。

5. まとめ

大前提として頭に入れておかなければいけないのは、いくらプロでも図面上から全てを把握するのは難しいということです。時間がなくて聞けなかった不明な点や現調できなくて見ることができなかった点は、リスクとして見積にのってしまいます。そうすると結局は見えない形で施主が負担することになるのです。

こうした事態を避けたいならば、適切な見積もり期間を提示することです。それが店舗内装の見積金額を下げるたった1つの方法です。

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