施工(せこう)ってどんなことをすること?すぐに読める店舗工事を徹底解説

施工とは実際にどのようなことを指すのでしょうか。施工という言葉の範囲は広く曖昧なため、あまり詳しく理解していない人は多いのではないでしょうか。工事に関わる様々な人々やその仕事内容を理解して、実際に工事を発注する際に活かすようにしていきましょう。

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木組みの工事現場

1. 施工(せこう)とは

そもそも施工とはどのようなものなのでしょうか。まずは言葉の定義を見ていきましょう。

1-1 施工の定義

施工とは簡単に言えば、設計図に基づいて性能や仕様、意匠を作り上げ、工事を実施することを指します。図面から読み取られた様々な工事内容に対して、施工業者が様々な工事を行っていきます。

1-2 施工 or 施行?

よく「施工」と「施行」という言葉を一括りにしたり、漢字を間違えて使ったりする人を見かけますが、工事の際に使用するのは「施工」です。

「施行」は法律などの効力を実際に発生させることを指し、全くの別物なので使用する際は注意をしましょう。

2. 施工に関わる人々

施工には様々な人々が関わり、それぞれ役割が全く異なります。それぞれの特徴をしっかりと理解しておくようにしましょう。

2-1 設計事務所

設計事務所は直接施工を行うわけではありません。設計事務所は施工会社に依頼する見積作成や工事をする際に必要な図面の作成、施主と決めた内装デザインを仕様に反映させていきます。また設計者は施工会社が図面通りに工事を進めているか、決められた仕様で工事が行われているかをチェックする設計監理と呼ばれる業務もあります。

2-2 施工管理会社

全ての工事は元請けとなる施工管理会社に発注をすることになります。

施工管理会社には様々な種類があり、各種専門工事業者の複合体であるゼネコンや自社に職人を雇用している会社もいます。

しかし多くの場合は全ての工事を自社内の職人のみで完結することはなく、実際には下請けの専門業者に発注します。設計施工と名乗っている会社であっても、施工に関してはまるまる協力会社と呼ばれる下請けに発注しているケースもあります。

2-3 専門業者

専門業者は施工管理会社の下請けとなり現場の専門的な施工を行ういわゆる職人のことです。電気、ガス、給排水などの店舗に関わるインフラなどの設備工事や内装仕上げ、大工、左官工事などの内装工事はそれぞれの専門工事に特化した職能を持つ職人が行います。一つの現場に対して10-20社関わると言われております。

3. 施工会社の仕事

それでは実際の施工会社はどのような仕事をしているのか見ていきましょう。

3-1 見積作成

施工会社は設計者の作成した設計図面にしたがって、必要となる工事と自社の利益を計算して見積を作成していきます。

3-2 業者・資材の手配

工事を受注したら、実際の工事で使用する資材や実際に工事を行う専門業者へ発注をしていきます。

3-3 現場管理

工事がしっかりとスケジュール通りに行われるように、工事工程表を作成を行います。また現場の作業員や近隣住民の安全を確保するため周知を行い、実際に工事を行う専門業者への現場ごとの注意点を説明し、円滑に進むように細心の注意を払います。

3-4 メンテナンス

竣工・引き渡し後は店舗の老朽化や什器が壊れた場合に備えて、メンテナンスを行います。

4. 施工の種類

施工の種類は設備、建築や内装を含めると多岐に渡り、解釈によっては重複する内容も多いため広く理解されている内容を記載します。お店によっては必要不要が出てくるので必ず検討しましょう。

5. 施工会社の探し方

では実際に施工会社を探すためにはどのようにすればよいのでしょうか。一部のプロジェクトでは指定業者がいて選択の余地がないケースもありますが、多くの場合は自ら施工会社を探す必要があります。実際に施工会社を探すにはどのような選択肢があるのか見ていきましょう。

5-1 設計会社からの紹介

多くの場合は設計会社が普段付き合いのある知り合いの施工会社を紹介してくれるでしょう。
設計会社からすれば、頻繁に共同で仕事をしているので、図面の読み取り・やりとりがスムーズにいくため非常に好まれます。また工事の質という意味でも非常に安心できます。

しかし一方で発注者としては、価格競争が起きないということは工事金額が通常より高くなるケースがあることを念頭において置かなければならないことに注意をしておきましょう。

5-2 自分で探す

インターネットや雑誌、ホームページなどで調べて、自分で施工会社を選ぶことができます。あなたが参考にするデザインのお店を手がけた施工会社を探すことで直接依頼を検討しても良いでしょう。理想とするお店のイメージを伝えそれを具現化してくれる提案をもらえるはずです。ただ1社で進めたものの実際に見積もり金額が出るタイミングは様々な仕様を確定させた後になるため思った以上に高い!となるケースもあります。

5-3 マッチングサービス

インターネットを利用して探すのであれば、内装のマッチングサービスを利用することをおすすめします。マッチングサービスは施工会社のそれぞれの特徴や強み弱み、発注者からの情報を掲載されている場合が多く、最適な会社を見つけることができるでしょう。

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6. 施工会社の選定

探し出した施工会社の中から自社に最適な会社を選定してきます。実際にどのようにして発注するのか、そのポイントを見ていきましょう。

6-1 特命

建設内装業界における特命とは1社のみと打ち合わせと契約を進めることを指します。最適な会社があれば特命で依頼してもよいですが、スケジュールが余りにも短い、工事内容の特殊性からいくつもの事情がない限り特命での依頼は避けたほうがよいでしょう。市場原理が働かなくなるため工事金額に納得感を持たせにくいです。

どうしてもという場合はまとめて発注することで、金額を下げてもらう契約を結ぶ方法もあります。

6-2 競合入札・相見積もり

多くの場合は複数業者を比較する競合入札・相見積もりをするのではないでしょうか。市場原理を働かせることで適正な工事金額につながるでしょう。見積フォーマットの項目を統一しておくと、複数社に見積もりを出してもらう上で比較する際に非常に便利です。

7. まとめ

初めて出店する方にとって施工というのは馴染みのないものでしょう。施工会社はどのような構造で成り立っているのか、あるいは仕事内容を理解して発注に活かし納得感のあるお店作りをしましょう。

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