1.バー経営者の年収を考える
バーの経営で年収をどの程度稼げるのかを考えるために、まず、売上、そして利益はどの程度上がるのかといったところを簡単にシュミレーションしてみましょう。
月々の純利益は次のように算出できます。
売上高/月 - ランニングコスト/月 = 純利益/月
1-1 売上目標を立てる
飲食店では、月々の店舗の面積1坪当たりの売上は15万円以上が望ましいと言われています。ただ、バーの場合は客単価が高いため、月坪売上は20万円以上を目標にするとよいでしょう。
ここで、15坪のバーを経営する場合を考えてみます。各々の数字に関しては一般的なバーを参考にしています。
月の売上は次のように計算できます。
席数×客平均単価× 回転数 × 月の営業日数 = 売上高/月
30席 × 4,000円 × 1回 × 26日(週一定休日) = 312万円/月
1-2 ランニングコストを考える
バーを経営するうえでのランニングコストは、家賃や材料費、人件費など様々です。
一般的に
材料費と人件費は売上の60%以内、家賃は10%以内
におさめることが望ましいとされています。
また、光熱費や広告宣伝費などの諸経費が10%、借入返済額が10%とするとランニングコストは売上全体の90%程度、つまり今回の場合、約280万円/月となります。
1-3 バー経営者の年収は?
上記から月々の純利益はおおよそ
売上高312万 - ランニングコスト280万 = 純利益32万円/月
人件費にバー経営者本人の給料も入れて考えている場合は別ですが、そうでない場合このバー経営で稼げる年収は、
利益32万/月 × 12ヶ月 = 384万円
となります。
2.バー経営を成功に導くコツ
1ではバー経営者の平均的な年収を売上や費用に基づいて見ていきましたが、あくまで一定数の集客が見込める場合の年収です。
もちろん、より多くの集客を見込むことができれば、それだけ年収も多くなります。
ここでは実際にバー経営の集客に成功するにはどうしたらいいのか?という疑問を解決するべく、成功のポイントやコツを紹介していきます。
2-1 コンセプトを固める
開業するうえで重要になるのがお店のコンセプトです。ここがブレるようでは、お客様もこのお店が自分の求めているものと一致するかどうか判断できません。コンセプトを決めたら、ターゲットとする客層の年齢や収入に合わせて立地や内装、メニュー、価格などを決める必要があります。
特に内装はひと目でコンセプトを伝えられるため力を入れる必要があります。内装の準備は物件の選定と内装業者・デザイン会社の選定を同時に進めなければなりません。デザインはコンペを、施工は相見積もりを忘れないようにしましょう。
また、SHELFYではバーの内装工事実績が豊富な内装会社をご紹介しています。
内装会社探しにお困りの方はお気軽にご相談ください。
【ご相談はこちら】店舗デザイン・内装工事の日本最大級マッチングサイト-SHELFY-
2-2 メニューブックにカクテルの説明を記載する
売り上げを伸ばすためには客単価を上げること、つまり、一人あたりの注文数を増やすことが重要です。しかし多くのバーでは一人のお客さまが注文するカクテルは2~3杯程度。
バーには様々な種類のリキュールボトルが並び、多くの種類のカクテルを提供できるようにされています。しかし注文されるのはほとんど一般的なカクテルに偏ります。バー経営者としてお客さまには少しでもお酒に興味を持ってもらい、お酒の楽しみを知ってもらいたいものです。
ではなぜ一般的な無難なカクテルにオーダーが集中してしまうのでしょうか?
それはほとんどのお客さまがカクテル・お酒の知識を持っていないからです。新しいものに挑戦してみようという気持ちはあってもメニューブックに載ってるカクテルやウイスキー、ワインの知識がないため、頼まないのではなく頼めないに近いのです。
そこでバー経営ノウハウの一つとして、メニューブックにカクテルの説明などを記載することをおすすめします。リキュールごとのカテゴリ分けではなく、「デートの時に飲みたいカクテル」や「有名人が愛するカクテル」などと分類してみるのもいいでしょう。こうすることでバー経営の根底に有る「お酒を楽しんでもらう」ことができるのではないでしょうか。
2-3 チャージ料をなくすかどうか
チャージ料の是非については考え方があると思いますが、一般的には700円、高いところだと1,000円~2,000円はします。客単価を上げることはもちろん大事ですが、最も重要なのは気持ちよくお酒を楽しんでもらい再び来店してもらうことです。お客様にチャージ料への納得感さえ持たせることができれば無くす必要はなく、むしろお店を応援できると考えるお客様もいます。
とはいえチャージ料を無くすと考えた場合、顧客単価が下がることは避けられません。ただ無くしたとしても来店頻度を上げたり、1来店あたりの注文数を増やすことができるように、代わりとなるような施策はたくさんあります。
例えば無料会員制度をつくりいろいろな特典を付けることも、お客さまをつなぎとめるための良い方法の1つです。
会員登録してもらえばメルマガで情報配信をすることなどもできます。珍しいウイスキーなどが入ったことをメールしたり、誕生月の人にはオリジナルカクテルプレゼントをするなどしてみましょう。
2-4 コミュニケーションを大切にする
バー経営での成功で最も重要なのは、あなたのコミュニケーション力です。ここがほかの飲食店等と異なるところですが、バーの場合お客様と会話をすることが多くなります。
特に、常連さんをどれだけ多く獲得できるかが重要なバーにとっては、会話一つにしても如何に楽しんでもらうかが非常に大切です。雰囲気で楽しんでもらう、音楽で楽しんでもらうというのももちろんですが、やはり最終的にはオーナーの人柄を気にいったり、会話を楽しめたりするのがリピートする大きなポイントです。
つまり、お客様とのコミュニケーションを大切にすることが成功への一番の近道になります。
3.おわりに
今回はバー経営の平均的な年収と成功のポイントを紹介しましたが、バーは飲食店の中では低コストで比較的リスクも少なく始められます。しっかりとコンセプトや戦略を立て、他店との差別化を図れば大きなリターンを期待できます。
また幅広い年代から愛されるバーだからこそ、いつの時代も多くの需要があります。
人とのコミュニケーションが好きな方、お酒が好きな方はぜひバー経営を考えてみてはいかがでしょうか?
もし出店が決まった際はSHELFYにも一度お声がけください。
物件探しから内装会社探しまで、あなたの店舗出店を全力でサポートさせていただきます。