1. 内装業者を選定する際の罠
1-1 実際の工事金額を高く感じてしまう
内装工事が常に激安になることはありえません。激安を主張している内装業者に多いのが、なんらかの特別な理由で偶然安くおさまった見積金額を「坪15万でできました!」というようにホームページ上に掲載しているパターンです。
そういった事例を掲載することで「自社なら安くできます」ということをアピールして、集客につなげようとしているのでしょうが、これは施主にとっても内装業者にとっても非常に悪い結果をもたらすことになります。
内装業者に対して完全に同一の図面内容で複数の会社に見積を依頼した際に、金額に極端な差が出ることはあまりありません。しかし施主側は安くできた際の金額が頭にあるため、この内装業者に頼めば安いと刷り込まれています。そしていざ内装業者が適正な見積を提出したとしても、施主は金額を高く感じてしまいます。
結果的に施主にとっても内装業者にとっても納得感の得られない結果となることが多く、互いに信頼関係が生まれなくなってしまい、結果的にリピートにもつながらないのです。
1-2 欠陥工事が起きやすい
見積が破格の金額であった場合は、なぜ安くなっているのか内装業者に確認するようにしましょう。納得のいく説明がなされない場合は、工事の品質を疑ったほうがよいです。内装工事は工期や予算に対して無理のある内容だと、欠陥工事が起きやすくなるからです。
2015年10月に問題となった旭化成建材杭打ちデータ偽装事件の例を見ると非常にわかりやすいです。2次請けとなった旭化成建材は発注元となった企業から予算や工期について厳しく守ることを要求されていました。想定外の事態が生じて工期の遅れが起きた際に、発注者は元請けの責任を追求し、それらの矛先は2次3次といった下層の下請け企業へ向かって責任を取らされるのです。下請け企業はそうならないために、何より大切な工事の品質よりも工期や予算を優先してしまったというわけです。
このようなことはオープンのスケジュールを厳守しなければいけない店舗でもありえるのです。ですから無理な工期や予算を一方的に提示するのは、危険を伴うことを認識しておきましょう。
2. 内装工事の見積金額を下げるために
それでは内装工事費を抑えていくためには、 施主は何をすればよいのでしょうか、大切なポイントを見ていきましょう。
2-1 見積期間を十分に確保する
一番大切なのは内装業者の見積の期間を十分に確保してあげることです。見積期間が短いと内装業者は、物件の調査や図面の分析をする時間を十分に確保することができません。そうなると内装業者は赤字案件にしないために見えないリスクを見積もりに上乗せせざるをえないのです。
どれほど急いでいたとしても見積期間には最低でも7-10日は提供するようにしましょう。
2-2 最適な会社に出会う
内装業者には得意な分野と不得意な分野があります。これらも見積金額に大きく影響を及ぼします。
得意な分野の内装工事であれば見積金額を下げることができますが、逆に苦手の分野の内装工事であれば見積金額は上がってしまうのです。
例えば飲食店を出店して木工造作が多い場合であれば、木工工場を持ってると見積金額を安く抑えることができます。また塗装の職人を自社で抱えていれば、塗装費を安く抑えることができるのです。
ただどのような会社が何を得意としているのかは、表面的な情報から読み取るのは難しいでしょう。そんな時はマッチングサービスを利用することをオススメします。マッチングサービスなら、様々なニーズに基づいて内装業者を選定してくれます。
3. まとめ
内装工事を依頼する際はついつい費用ばかり気にして激安業者を選びたくなってしまうことがあるでしょう。しかし実際には激安業者というのは幻想に近く、結果的に互いに不幸な結果をまねきかねないのです。
内装業者を選ぶ際は「激安価格」ではなく「適正価格」を求めるようにしましょう。