内装費=固定費(設備工事費等)+変動費(壁材・床材、什器等)×坪数
内装工事において最も多い質問の一つとして、「内装工事費用はいくらかかるのか?」というものがあります。これは結論から言ってしまうと、「ピンからキリまで、求めるグレードによって違う」というのが実情です。
というのも内装工事費は固定費と変動費に分かれていて、変動費に関しては求めれば際限がないからです。施主様がどれだけ一つひとつにこだわるのかによって変わってきます。
ですから仮に同じカフェを作るにしても、使用する素材や造作の量によって内装工事費用は大きく異なります。小さな差を積み重ねていくとが、結果的に金額的に大きな差になるわけです。
とはいえ予算計画をしていく中で、「おおよその相場感だけでも知りたい」と考える人が多いのも事実でしょう。
変動費に関して具体的な費用を言及することは難しいですが、固定費に含まれる必要な設備は業種・業態によってある程度パターンに分けることができます。
そこでSHELFYではこれまでいただいた1000件以上の問い合わせの中から、内装工事費用に関するデータを分析し、内装工事費用の相場感を内装のグレード(Low、Middle、Highの三段階)に合わせて業種別にお伝えしていきます。
ただし前述したように様々な要因の掛け合わせで工事費用は変化するため、あくまで目安であることを頭に入れておくようにしましょう。
飲食店の内装工事費の相場
ガス工事や給排水工事、空調工事などの工事のボリュームは、業態や提供するメニュー、調理方法によって異なります。同じカフェ業態であっても、料理メニューが軽食だけであればミニキッチンだけですみますが、きちんと調理するのであればそれだけ設備工事のボリュームが増えて工事費も高くなります。飲食店の場合は最低限必要となる設備工事に大きくお金がかかります。
ここで事前に注意しておくべきなのが物件の選定です。物件によってはガスの容量が足りず既定の容量へ上げるために、想像以上に工事費がかかる場合があります。あらかじめ以前に入っていたテナントを確認するとよいでしょう。
物販店の内装工事費の相場
販売する商品によって坪単価は大きく変わり、坪10~20万円といった簡素な作りのものから、坪100万円を超えるジュエリーショップような業種も多くあります。物販店の内装工事の特徴としては、設備工事にあまり費用がかからないことです。飲食店と異なり厨房や水回りの工事が必要ないので、予算の多くは什器などの造作物に割かれることになります。
また物販店はSCや百貨店などの商業施設内のテナントとして出店することが多く、その場合はB工事費用なども考慮しなくてはなりません。
美容サロンの内装工事費の相場
美容室は他の業種に比べると設備工事が多いかつ減らすことができないため、飲食店ほどではありませんが坪単価は高くなる傾向にあります。特に高い技術と手間のかかるシャンプー台の設置工事は、配管やボイラーの設置など美容室の運営上必要な高額工事が多くあります。美容サロン全般で見ると設備工事が入るかによって工事費が大きく違います。
一方でリラクゼーションサロンのように設備工事が必須ではない業態に関しては、比較的安価に済む傾向にあります。
まとめ
内装工事というと見た目のデザインや機能性という点に目がいきがちです。しかしここまで見てきたように、実際の工事費用に占める割合が大きいのは設備工事であることが多いです。必要な設備自体は業種によって異なるので、その違いが金額的に大きな差となるのです。
繰り返しになりますが、上記の内装工事費はあくまで目安であることを念頭に置いて、予算計画をする上で参考にしてみてください。