1. 設計会社と施工会社の関係
店舗の出店やオフィス開設などの内装工事は、完成までに様々な会社が関わっています。その中でも実際に施主が関わるのは、設計会社と施工会社です。両者は互いに協力しながら内装工事を進めていきますが、それぞれの役割は異なり、互いの仕事を監理しあっています。
しかし最近では設計と施工を同じ会社内で行なう「設計施工」と呼ばれる会社も増えており、施主は窓口を一つにして、よりスピーディーな対応を求めています。
それぞれの業務を知ることで、自社に最適な会社に依頼できるようにしましょう。
2. 設計会社とは
設計会社の仕事は主にデザインや図面を作成する設計業務、施工会社と連携して設計図通りに工事行われているのかチェックする監理業務があります。
2-1 基本設計
基本設計は店舗やオフィスの概要を決める図面を作成することで、主に施主との打ち合わせやプレゼンに利用されます。デザインパースや基本図(平面図、天井伏図、展開図)の作成を行い、完成した際のイメージが誰でもイメージできるようにします。施工会社は基本設計を用いて概算の見積を出すことができます。
2-2 実施設計
実施設計は実際の詳細見積や工事に使う図面を作成することで、主に施工会社のために利用されます。主要な詳細図を作成して家具、什器、備品の設計や選定業務を行います。
2-3 見積調整
施工会社からの見積金額が予算をオーバーしていた場合は、VE案(金額を落とした代替案)などを施主に提示して、予算内に収めるように調整していきます。
競争入札で複数社に見積を依頼する際は、入札説明会を取り仕切って見積金額の精査を行う場合もあります。
2-4 設計監理
設計者は自身が作成した図面の通りに工事が行われているのかを監理する義務があります。着工前には施工図のチェックや内装材、家具の素材及び仕上げの調査、サンプルチェックなどを行います。その後現場の工事が設計図面に従って進められているかの確認をしていきます。
3. 施工会社とは
一般的に施工会社と呼ばれているのものの多くは施工管理会社のことです。施工管理会社の仕事は実際に手を動かして工事をするのではなく、元請けとなって様々な専門業者と工事を行っているのです。
3-1 見積作成
施工会社は設計者の作成した設計図面にしたがって、必要となる工事とそれにかかる手間を計算して見積を作成していきます。
3-2 業者・資材の手配
内装工事を受注したら、実際の工事で使用する使用する資材や実際に工事を行う専門業者へ発注をしていきます。
3-3 現場管理
工事がしっかりとスケジュール通りに行われるように、工程計画や施工順序の検討を行います。また現場の作業員や近隣住民の安全を確保して、工事を行うように細心の注意を払います。
3-4 メンテナンス
竣工・引き渡し後は店舗の老朽化や什器が壊れた場合に備えて、メンテナンスを行う必要が出てきます。
契約で定めた内容通りにできていない部分や傷、欠陥、欠点は瑕疵(かし)と呼ばれ、最低でも1年は工事を請け負った施工会社が責任を負う必要があります。
4. 専門業者とは
専門業者とは実際に現場で手を動かす職人のことです。施工管理会社が元請けとなって、それぞれ専門業者が内装工事を行っていきます。専門業者は平均して10-20社が関わると言われており、各専門工事に特化した職能を持っています。
施主は実際に専門業者とやりとりをするわけではありませんが、どのような構造になっているのかは理解しておきましょう。
5. まとめ
初めて店舗を出店したりオフィス移転を担当したりする人にとって、内装工事は様々な会社が出てくるので、混乱してしまうことも多いでしょう。はじめにそれぞれの会社が、どのような役割や責任があるのかを認識しておくと、その後のやりとりをスムーズに行うことができます。
店舗の出店やオフィス移転は、一般の人はそう何度も経験するものではありません。万全を期して後悔のないないようにしましょう。
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