造作譲渡料とは
「造作」とは「建物の内部を構成する部材や設備」をいい、「造作譲渡料」とは「居抜き物件で前テナントの内装・造作を引き継ぐための契約を結ぶ際、新オーナーが前テナントのオーナーへ支払う費用」のことです。大家さんや物件の持ち主ではなく、前オーナーに払うのが他の物件関連費用との最も大きな違いです。
造作譲渡料は設備や内装を引き継ぐことに対して支払う費用なので、当然オープンして間もない店舗であったり、使える設備や機器が多ければ造作譲渡料は高くなります。しかし造作譲渡料を決めるための明確な基準というのは存在せず、内装や設備への評価の他に立地条件の良さや周辺環境といった要素が加味されているることもあります。
造作譲渡料の仕組み
通常の賃貸契約では「解約する際には元のスケルトンの状態に戻して貸主に返さなくてはならない」という現状回復の義務が含まれてる場合がほとんどです。それに加えて解約通知は一般的に解約日の6ヶ月前と決められているため、前テナントのオーナーは6ヶ月以内に解体費用を払ってスケルトンにするか、居抜き物件として誰かに譲るかの2つの選択を迫られることとなります。
よって造作譲渡料は6ヶ月目が近づくにつれ安くなっていくのが一般的です。また造作譲渡料は居抜き物件であれば必ず発生するというものではなく、「スケルトンに戻す解体費用をかけるくらいなら無料でいいから引き取ってほしい」と考える前オーナーの場合は造作譲渡料0円の居抜き物件もあります。
造作譲渡料の交渉方法
現状回復の期限が迫ってくると、前オーナーは多少造作譲渡料が安くても、早く確実に次の人に物件を渡してしまいたくもなります。 そこで造作譲渡料の金額は少しでも高くしたい前オーナーと、 少しでも安く譲り受けたい新オーナーとの間で交渉が発生します。
居抜き物件の場合、本当に何もかもそのまま使えれば追加コストはゼロですが、 最低限看板の付け替えといった外装工事や、多少の内装の変更も必要かと思います。ただ単に安くしてほしいと交渉しても難しいので、こういった変更したい箇所と譲り受ける箇所の費用対効果をベースに造作譲渡料交渉していくことが大切です。
例えば500万円で内装工事をしようと考えていたが、本来1000万円かかる内装設備を造作譲渡料300万円で譲り受けることができた場合、 あと200万円はいろいろな手直しにかけることができます。 逆にこの考えを利用して、変更箇所の手直し代として300万円かけたいので 造作譲渡料は200万円にならないか?といった交渉をするのが賢明です。
造作譲渡料を知っておくことの重要性
賃料・保証金といった基本的なお金に比べて、造作譲渡料は見落としがちな費用です。しかし、造作譲渡料は場合によっては初期投資の鍵を握ることになります。初期費用を抑えたい方はここでの交渉が重要となるので、事前にしっかり準備をしてから行うようにしましょう。
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