1. 内装工事会社の種類
内装工事会社は大きく以下の3つのタイプがあります。
ただしそれらを区別する会社の境界は非常に曖昧で分かりにくいものです。まずは基本的な会社の種類を抑えるようにしましょう。
1-1 デザイン設計会社
デザイン設計会社は店舗の設計やデザインを手掛け、施工は別の会社へ依頼します。
デザイン会社へ店舗設計を依頼するメリットとしてはデザインのプロであるため、ブランディングや動線も含めてクオリティの高いデザインがあがってくること、デザインと工事が別になるため見積りを数社からとって比較したり、監理と施工の役割分担がはっきりすることによってしっかりした工事監理を期待できるというのがメリットです。
デメリットとしてはデザインが出来てから工事の見積りをとることになるため、時間がかかることです。またデザインを気に入ったとしても、予算に収めるために諦めなければいけないことが出てくるかもしれません。
店舗設計費・デザイン費用に関しては会社によってまちまちです。工事とは別に設計費やデザイン費を払うことに抵抗のある人もいるかもしれませんが、見積り書がデザインと工事で2枚になるか1枚になるかだけの違いで総費用自体はそんなに変わらないことがほとんどです。
1-2 施工会社
自社内では基本的にデザイン設計は行わず、実際に施工する職人さんを管理する会社です。
より現場に近い形で店舗づくりを行っており、実際に施工する職人さんへ直接依頼するため、費用を抑えることができます。居抜きで内装をほぼそのまま使う場合などは、施工会社に依頼する方がスピードも早く、安くオープンを迎えることができます。
デザイン設計も受注している施工会社は、外注している場合も多いです。その場合二度手間が発生する上、外注先は自分で決められないため、自分で設計会社に依頼したほうが好みのデザインを選べて効率的な場合もあります。
また自社でデザインしていることもありますが、質という面ではデザイン事務所に頼んだほうが高いといえます。ですからデザインも工事も必要な場合は、自社で設計会社、施工会社に依頼するか、もともと1つになった設計施工会社に依頼しましょう。
1-3 設計施工会社
「設計施工」と呼ばれる会社です。店舗のデザイン設計だけではなく、施工も自社できます。そのため何よりスピードが速いことがメリットです。デザインと工事の見積り書が同時に出てくるため、予算のすり合わせや打ち合わせの回数を少なくすることができるのです。開業までの期間がほとんどない場合などは、こちらの方がいいでしょう。
その分監理と施工を同じ業者が行うため、良心的な会社を選ばないと費用の面で不安が残るのがデメリットです。設計施工の会社に依頼する場合は他のプロからもアドバイスを貰ったり、以前に仕事した人の話を聞くなどして信用できる会社かどうか確かめるようにしましょう。
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2. 内装工事ではデザイン設計会社と施工会社は分けるべきなのか?
内装工事の依頼方法には、一般的に①デザイン設計会社と②施工会社それぞれに分けて依頼するパターンと③設計施工会社に一括で依頼するパターン2種類があります。
それぞれ、特徴が異なりますので、メリット・デメリットを見ていきましょう。
2-1 デザイン設計と施工を同じ会社に依頼すべき人
- 計画の段階で細かい工事予算が知りたい
- メンテナンス時などの連絡を簡単にしたい
- スケジュールが詰まっている、時間的余裕がない
設計と施工をどちらも同じ会社に依頼する一番のメリットは、内装に関する全ての窓口が一つになることです。工事の見積金額もデザインの検討時にあがってくるため、その後工事金額が上下することも少なく、よりスピーディーに工事を進めることができます。
デメリットとしてはメンテナンスも含めた費用設定になっていたりと総体的に金額が高くなりがちな点と、工事費と設計費の内訳が分かりづらく、見積が不明瞭になりやすいというのが挙げられます。
2-2 デザイン設計と施工を違う会社に依頼すべき人
- デザインにこだわっていきたい
- スケジュールに比較的余裕がある
- 本社が大都市にあり、地方への出店がある
設計と施工を分けることで、設計が施工を監理する体制をつくることができるのが一番のメリットです。設計会社との打ち合わせは会社の近くで、施工会社は地方の地場の業者に依頼することで、デザインについて詳細を詰めることができ、施工金額も比較的安く抑えることができます。また、設計会社と施工会社が相談しながら進めていけるため、様々な角度から提案を受けたり、施工会社から相見積もりとって精査することが可能です。
内装工事費に関してはデザインが固まってはじめて施工会社から見積をとるため、見積が出てくるのが遅いです。さらに、出てきた見積金額によっては、さらにデザインを調整する必要が出てきたりと一括して依頼するのに比べて時間がかります。
また、デザイン設計と施工と窓口が二箇所になってしまうことで、責任の所在がわかりにくくなってしまうというデメリットもあります。
3. 結局内装工事会社はどのように選べば良いのか?
内装会社の種類は把握いただけたでしょうか?これまでそれぞれの一般的な特徴をご紹介してきましたが、設計と施工が同じでも時間をかけてデザインにこだわった事例もあれば、デザイン会社と施工会社を別にしてスピーディーに仕上がった事例もあります。
内装工事会社は設計・施工を分けるべきか同じにすべきかという迷いは、何店舗も出店しているような大手企業の店舗開発担当者でも悩むポイントで、上記のような例外もあるため、その都度状況に合わせて依頼方法を選んでいるのが現状です。自社の予算や状況に合わせて内装業者の依頼方法を選択するのがベストでしょう。