1. なぜカフェでは内装が重要視されているのか
1-1 リピーターの確保
カフェを利用するシチュエーションはどのような時でしょうか。毎朝の日課でテイクアウトする場合だけでなく、仕事の合間や個人の作業時、一人で本読む時など長時間の利用も多いのではないでしょうか。
その際に騒がしく落ち着きのない空間では、何度も訪れたいとは思わないでしょう。そのためカフェの内装では、一つひとつの什器や空間の色使いでお客さんが利用したいと思えるような空間づくりが求められるのです。
1-2 新規顧客の獲得
コンビニコーヒーの出現によって低価格でもおいしいコーヒーが手軽に飲めるようになり、単においしいコーヒーを提供しているだけではカフェの経営は成り立たなくなってきました。このような背景からカフェは単なる商品の提供以外にも付加価値を与えることが求められており、その中でも内装は非常に重要視されているのです。
最近ではカフェ巡りが趣味と答える若い女性が増えており、Instagramなどの写真共有アプリでおしゃれなカフェの写真を投稿することも一般的になっています。まずはこのような若い層のお客さんと接点を持つために、視覚的に印象に残る内装が求められているのです。
2. カフェ内装づくりのフロー
2-1 コンセプト
一言でカフェといっても提供する商品や空間、オペレーションはそれぞれ全く異なります。他のカフェと差別化を図るために、自分の店のコンセプトをしっかりと定めていくようにしましょう。
コンセプトは「自分たちは何が得意でどんなことができるのか」「お客さんに対してどのような価値を提供したいのか」というような内部環境と「店の場所がオフィス街にある」「ゆっくりするよりは業務の間で利用する」というような外部環境を分析していくと自ずと決まってくるでしょう。
ちなみにおしゃれなカフェの代表格でもあるスターバックスのコンセプトは「第三の場所」です。家庭でも職場でもないリラックスできる場所を価値として提供しているのです。
2-2 デザイン設計
設計会社の選定
まずは自分が立てたコンセプトを実現してくれる設計会社を探しましょう。設計会社の探し方は自分の好きな店をデザインした会社を調べたり、友人知人の紹介を受けたりと様々な方法がありますが、出店経験が少なく見極めが難しい場合はマッチングサービスを利用することをオススメします。
依頼内容の整理
依頼する設計会社が決まったら、カフェのコンセプトを設計会社に伝えましょう。さらにインターネット上の画像や雑誌の切り抜き、実際に訪れた店舗の写真を見せて設計会社と大まかなイメージの共有を図ります。
さらに最低席数やカウンター必須などの様々な要望やレギュレーションも伝えましょう。特に提供するメニューは用意する厨房機器や電気容量にも関わるので、しっかりと準備しておきましょう。
プレゼン
多くの設計会社はファーストプレゼンで平面図やデザインパース、展開図などを提案資料として用意してくれます。提案された資料を元に「もっとこうしたい」という部分を詰めていきます。デザイン設計に対する要望が過多になってくると、それを叶えるための費用も高くなってしまいます。後々トラブルにならないためにも、おおよそのコスト感は把握しておくようにしておきましょう。
2-3 施工
施工会社の選定
デザインや設計図の内容が固まってきたら、今度は施工会社を探していきます。施工会社は設計会社に紹介してもらう場合が多いですが、時間的に余裕があるのなら価格の適正化を図るために、複数の会社で相見積もりを取った方がよいでしょう。
工事中
カフェ内装の工期は提供するメニューや、厨房設備の内容によって多少異なりますがおよそ一ヶ月程度です。内装工事中は素材や色の選定などの細かい打ち合わせを行う必要があるので、都度現場に行って確認するようにしましょう。
3. カフェ内装にかかる費用
3-1 内装工事費
カフェの内装工事費は提供するメニューや厨房機器によって大きく変動します。カフェは一般的に軽飲食に分類され、レンジでチンをして提供するようなメニューの場合が多いです。しかし調理をしっかりして提供する場合は、相応の設備を用意しなければなり、その分設備費も高騰します。
デザイン性にこだわるなら、坪40〜70万円程度は必要と考えましょう。
3-2 居抜きは要注意
「居抜き=安い」というイメージを多くの人は持っているかもしれません。しかしいざ物件を契約した後に、設備を一部交換しなければ利用できなくなったり、電気容量が足りなかったりということが発覚して、いざ工事をしたら結局スケルトンの物件よりも高くなってしまうということもありえます。
もし居抜き物件を候補に入れている場合は、内装会社と一緒に内見をするとよいでしょう。
4. まとめ
誰もが一度はおしゃれなカフェの内装に憧れるでしょう。しかし現在はなんとなくおしゃれなカフェはありふれていて、他と差別化をすることが求められているのです。
まずはカフェのコンセプトをしっかりと固めて、自分が理想とする内装づくりをしていきましょう。