若者の街「渋谷」。流行を発信する商業施設と今後の再開発まとめ

日本を代表する繁華街の一つである渋谷は、原宿と並び「若者の街」としても知られており、近年はIT企業の集積地という印象も強いのではないでしょうか。谷底に栄える渋谷という街は、若者たちにとってどのような魅力があるのでしょうか。また現在行われている再開発事業を経て、今後渋谷はどのような街になっていくのか見ていきましょう。

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渋谷スクランブル交差点

1. 渋谷エリア

1-1 渋谷の街並み

渋谷駅周辺地図

渋谷はその名の通り谷底にある土地であり、その周辺には道玄坂や宮益坂といった急勾配の坂が非常に多くあります。渋谷駅周辺を中心に坂や通りが放射状に広がっています。

日本のランドマークでもあるスクランブル交差点は、一度の青信号で多い時には3000人が横断すると言われており、小さな街に人が密集する東京を象徴する場所として、多くの外国人が写真を撮影したりツアーの行程に組まれていたりと、一つの観光スポットとなっています。

1-2 渋谷駅

渋谷駅

渋谷駅は、JR東日本、京王電鉄、東急電鉄、東京メトロという4社の路線が乗り入れるターミナル駅です。2015年度の鉄道各社を合計した一日平均乗降客数は約323万人で、これはギネス世界一に認定されている新宿駅についで世界2番目の数字です。

前述したように渋谷駅自体が宮益坂や道玄坂といった坂に囲まれる谷底に位置するため、複数の路線を平地に並べることが難しく、駅の構造が立体になっているのが特徴です。2013年に東急東横線が地下化から始まった渋谷の再開発は、これまで無理に拡張を続けたことで入り組んでしまった渋谷駅周辺を整理するためのものでもあるのです。

渋谷駅

乗り入れ路線
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、京王井の頭線、東急田園都市線、東横線、東京メトロ半蔵門線・銀座線・副都心線
周辺駅
原宿駅、表参道駅、恵比寿駅、池尻大橋駅、代官山駅、神泉駅
1日平均乗降客数
約323万人

1-3 渋谷エリアの小売店販売価格

東京都小売店エリア別売上

上記の東京都における小売店販売価格を見てみると、渋谷公園通り商店街が第6位にランクインしています。また惜しくもトップテンからは漏れてしまいましたが、渋谷エリアである道玄坂周辺、渋谷駅東部がそれぞれ15位、16位にランクインしており、高い購買力を持っていることがうかがえます。

2. 渋谷エリアの特徴

2-1 若者文化の発信地

渋谷センター街の標識

渋谷は原宿と並んで若者文化の街といわれています。ハロウィンの様子や最近の流行を街頭アンケートしている若い人たちの映像をテレビで見たことがある人は多いのではないでしょうか。こうしたことからも「若者文化=渋谷」というイメージが人々のイメージにあることがうかがえます。

また渋谷は若者のファッションの発信地としても知られています。銀座のように高級店がひしめく百貨店文化ではなく、テナントを衣類や雑貨に特化したパルコや109といったファッションビルや路面店が多く存在します。10代、20代を中心とする若者は、ギャルファッションや

2-2 文化・音楽の街

DJ

あまり一般の人にはイメージがないかもしれませんが、渋谷は文化や芸術の街としても知られています。
東急百貨店本店に隣接するBunkamuraはコンサートやオペラ、バレエが鑑賞できるオーチャードホールや演劇を中心とした舞台鑑賞ができるシアターコクーン、世界各国の映画を上映するミニシアターなど、様々な文化芸術を楽しむことのできる大型複合施設として渋谷文化の中心となっています。

また渋谷は音楽の街としても知られています。90年代には渋谷系と呼ばれるジャンルレスの音楽が一世を風靡しました。また現在でも渋谷はライブハウスも数多く存在し、都内で一番クラブの多い街でもあるのです。

2-3 IT企業の集積地

MacBookとiPadとiPhone

渋谷といえばインターネット黎明期から、IT企業の集積地としても知られています。2000年頃の渋谷はサンフランシスコのシリコンバレーになぞらえビットバレーと呼ばれ、GMOやサイバーエージェント、DeNAといった現在のメガベンチャーと呼ばれる企業も多くこの地で成長していきました。

ある程度成長したIT企業はオフィススペースが足りなくなり、渋谷から出ていってしまう傾向がありましたがが、2012年に開業した渋谷ヒカリエや今後の駅前再開発によって新たなオフィススペースが誕生すれば、そういった悩みは解決されるといわれています。

3. 渋谷にある商業施設

渋谷はファッションや流行に敏感な10代・20代を中心とした若者が多く買い物に訪れます。そのためファッションビルや商業施設も多くあるのです。

3-1 SHIBUYA109

SHIBUYA109

渋谷のランドマークともいえる「SHIBUYA109」は東急グループが運営しており、渋谷PARCOと長らく渋谷の若者文化を引っ張ってきました。特に10代・20代を中心とする若い女性向けの店舗が多く集まり、ギャルファッション文化やショップ店員など後の社会現象を引き起こしてきました。

詳細データ

名称
SHIBUYA109
住所
東京都渋谷区道玄坂1-12-1
アクセス
渋谷駅直結
営業時間
物販/10:00-21:00、飲食7F/11:00-22:30、8F/11:00-23:00
開業
1980年
店舗数
119店舗

3-2 渋谷マークシティ

渋谷駅に隣接する渋谷マークシティは、EASTとWESTのツインタワーからなる、店舗、オフィス、ホテルが入居する複合施設です。

詳細データ

名称
渋谷マークシティ
住所
東京都渋谷区道玄坂2-29-1
アクセス
渋谷駅直結
営業時間
ショップ/10:00-21:00、レストラン/11:00-23:00
開業
2000年
店舗数
119店舗

3-3 渋谷ヒカリエ

渋谷ヒカリエ

渋谷ヒカリエはオフィス、商業施設、ミュージカル劇場「東急シアターオーブ」が入居する大型複合施設で、渋谷の新たなランドマークとなっています。渋谷再開発の先駆けとして2012年に開業しました。

その中で東急百貨店が運営する商業施設ShinQsは、地下3階から地上5階の計8フロア、売り場面積16,000㎡をほこります。

詳細データ

名称
渋谷ヒカリエ
住所
東京都渋谷区渋谷2-21-1
アクセス
渋谷駅直結
営業時間
ShinQs/10:00~21:00、カフェ・レストラン6F/11:00~23:00、7F/11:00~23:30、クリエイティブスペース 8/11:00~20:00
開業
2012年
店舗数
253店舗

3-4 渋谷マルイ、渋谷モディ

渋谷モディ

丸井グループが運営する2つの商業施設です。2015年に大規模改装が行われ、「マルイジャム渋谷」が「渋谷マルイ」へ、「マルイシティ渋谷」が「渋谷モディ」へのリニューアルを遂げました。

渋谷モディは丸井グループが運営する「モディ」業態の旗艦店として位置づけられ、非アパレルの店舗が多いのが特徴となっています。

詳細データ

名称
渋谷マルイ
住所
東京都渋谷区神南1-22-6
アクセス
渋谷駅7番口より徒歩2分
営業時間
11:00~21:00
開業
1958年
店舗数
50店舗

詳細データ

名称
渋谷モディ
住所
東京都渋谷区神南1-21-3
アクセス
渋谷駅7番口より徒歩2分
営業時間
ファッション・ライフスタイル/11:00~21:00、ブック&CD・DVD/11:00~23:00、カラオケ/11:00~翌5:00、レストラン/11:00~23:00
開業
2015年
店舗数
58店舗

3-5 東急百貨店本店

東急百貨店本店

渋谷駅から少し距離のある位置にある東急百貨店本店は、駅前にある他の商業施設よりも少し大人向けで高級ブランドが多く揃っているのが特徴です。また前述したBunkamuraが隣接していることもあり、複合施設としても知られています。

都内有数の高級住宅地である松濤が付近に位置していることも、このような施設として運営されていることがうかがえます。

詳細データ

名称
東急百貨店本店
住所
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
アクセス
渋谷駅3a出口より徒歩5分
営業時間
B1F・1F/10:00~20:00、2F~6F・8F(一部除く)/10:00~19:00、7F/10:00~21:00、8Fレストラン/11:00~22:30、8F美容室/10:00~21:00
開業
1967年

3-6 西武渋谷店

西武渋谷店

井の頭通りと公園通りの間にある西武百貨店は、駅前の好立地に位置しています。開業当初から欧米の高級ブランドをいち早く取り入れ、日本の若手デザイナーも積極的に登用したことでも知られています。

2015年の全面リニューアルを機によりファッションや趣味嗜好に力を入れる客層をターゲットとして、より高級路線のデパートとなりました。また2020年以降に建て替えを予定しています。

詳細データ

名称
西武渋谷店
住所
東京都渋谷区宇田川町21-1
アクセス
渋谷駅6番出口より徒歩1分
営業時間
月~土/10:00~21:00、日・祝休日/10:00~20:00
開業
1968年

4. 渋谷の再開発

渋谷の将来図

渋谷は谷底という限られたスペースで都度拡張を繰り返してきたため、利便性の欠如がしばしば問題視されてきました。その複雑な駅周辺の構造は「迷宮」「ダンジョン」などと揶揄されることもあるのです。

こうした課題を解決して安全で快適な歩行者空間や利便性の高い動線へと改善すべく、渋谷駅周辺の再開発が進められているのです。

4-1 渋谷駅街区

渋谷駅街区

渋谷駅の直上に東棟、中央棟(2027年度開業)、西棟(2027年度開業)の3棟から構成される巨大施設が誕生します。

その中でも他に先行して2019年度に開業する東棟は、ビルの高さや延床面積など、どれをとっても渋谷で随一の数字となります。

ビル内には店舗面積約30,000㎡の大型商業施設や賃貸面積約70,000㎡のハイグレードオフィス、クリエイティブ・コンテンツ産業のイノベーションを促進する交流施設など世界から注目される渋谷の中心となることは間違いありません。

建築デザインには隈研吾建築都市設計事務所とSANAA事務所が起用し、巨大ターミナル駅を中心とする再開発という大きなミッションが託されました。

4-2 渋谷駅南街区

渋谷駅南地区

2018年に東横線の旧渋谷駅及び線路跡地に新たに誕生する複合施設「渋谷ストリーム」は、「クリエイティブワーカーの聖地」を目指し、オフィスや商業施設だけはなく、イベントホールやクリエイター向けのインキュベーションオフィスが入る施設となります。

渋谷駅とは国道246号を挟んで向かいに位置しますが、JR渋谷駅につながる歩行者デッキや接続や地下鉄へ接続するアーバン・コアが設置され、直接駅と行き来できるようになります。

4-3 道玄坂街区

道玄坂街区

JR渋谷駅西口に面した位置にかつて2015年3月まで営業していた東急プラザ渋谷の跡地に複合施設が新たに建設されます。この施設はオフィスや商業施設の他に、空港リムジンの発着場所となるバスターミナルや外国人観光客向けの外貨交換所、観光案内所などが設置される予定で、渋谷の新たな玄関口としての役割が期待されています。

4-4 桜丘地区

桜丘地区

国道246号を隔てて向かいにある桜丘地区には、延床面積約241,400㎡の3棟のビルが整備されます。その中には商業施設やオフィスだけではなく、住宅や起業家支援施設も入居します。

渋谷駅から幹線道路を挟んで向かいにあるため、これまでは通行を制限されていましたが、アーバン・コアを整備して渋谷駅への移動をよりスムーズにします。

5. まとめ

これまで若者の街として栄えてきた渋谷ですが、現在50年〜100年に一度の大きな再開発を行っており、今後街並みが変化していくかもしれません。

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