1. はじめに
雑貨屋やセレクトショップなど開業するお店の商品構成が固まったら什器を選びます。洋服を扱うのであればハンガーかえるバーが付いた什器を揃えるなど、アイテムの種類や分野によって必要となる什器は異なります。ここはデザイナーや内装業者と話し合いながら進めていきしょう。
そうして決定した什器に「どのように商品を並べ、お客さんにプレゼンテーションしていくか」がディスプレイです。お客さんの動線や什器の配置を考慮しながら、コンセプトに沿って商品の流れを構成することが求められます。
2. 客単価を上げるディスプレイのコツ
ディスプレイの基本は「見やすい」「選びやすい」「手に取りやすい」という3つです。このルールを大前提として、以下の3つポイントに注意してみましょう。
2-1 平面でなく高さを出す
末広がりに
ずらーっと平面に商品を並べるだけでは目に留まりません。そのため中心となる商品に高さを出し、そこをお客さんの視線の起点として末広がり型にディスプレイすることが大切です。奇数(3,5,7など)ごとに一括りにすると中心が決めやすくなり、綺麗な末広がりのディスプレイを作ることができるでしょう。
ツールにこだわる
高さを出すにあたってはよく見るアクリルのパーツも有効ですが、安っぽく見えてしまうことも多いため、商品だけでなくディスプレイに使用する細かいツールもなるべくお店のコンセプトに沿ったものを選びましょう。
2-2 視線の流れを意識する
左から右に
基本的に人間の視線は左から右に流れていきます。色違いの商品はグラデーションに、サイズ違いの商品であれば大きいものから小さいものになるよう陳列しましょう。また右側で視線が止まることになるため、よりアピールしたい商品が右側になるようにするとより効果的です。
床から85cm~125cm
床から85cmから125cmくらいの高さが一番手が届きやすく、目が留まりやすいと言われています。そのときに一番売りたいものや利益率の高い商品をこの高さに配置しましょう。逆に低価格商品などは多少配置が悪くても売れることが多いため、上記のラインの上下に配置すると効率よくスペースを利用することができます。
2-3 テーマで商品を編集する
特集別に編集する
あるマグカップを売りたい場合、マグカップだけを集めて用途別のディスプレイするよりも「母の日のプレゼント」や「パリの雑貨」といったコーナーの一環として特集別にディスプレイする方が客単価が大幅にアップします。
用途別の場合は
用途別でまとめる場合も「テーマを設定して編集する」ことが大切です。例えばセンスのいいグラスがなのに売れないということであれば、お茶やコースターなど一緒に使うものをセットにして「ギフト用」として販売する、歯ブラシやヘアブラシ等をつけて「朝の準備」というテーマを設定するなど、きちんと意図を持って同じ用途の商品をディスプレイしましょう。
3. おわりに
「綺麗な」ディスプレイと「売れる」ディスプレイの間にはしばしば乖離があります。その違いは「お客さんはどのようなシチュエーションで商品を選ぶか」という目的を読んで、隠れた購買意欲を刺激できるかどうかにあります。
いざディスプレイに取り掛かりはじめると商品が不足していることに気づいたり、逆に大幅に余ってしまったりとその難しさを実感することでしょう。ディスプレイは慣れと経験がものを言います。開業後も週に1回はディスプレイを変えるなどしてコツを掴んでいきましょう。