1. 物件取得費
1-1 テナントなど店舗用の物件の場合
立地やテナントの規模によって大きく変わってきますが、必要になってくるのが、前家賃、保証金(家賃の8〜10ヶ月分)、仲介手数料(家賃1ヶ月分)です。一概にはいえませんが、青山など都内一等地の路面店だと約500万円程度、逆に都内の一等地以外で2階の物件なんかだと約100万円程の費用がかかります。
1-2 マンション物件の場合
前家賃、敷金礼金(家賃の0〜3ヶ月分)、仲介手数料(家賃の1ヶ月分)などが必要です。敷金礼金は物件や不動産屋によっても違ってきます。例えば、家賃が10万円のマンション物件なら、約20万〜50万円程度の費用がかかる計算になります。
1-3 自宅ネイルサロンの場合
店舗取得費はかかりません。
2. 内外装費
2-1 テナントなど店舗用の物件の場合
テナントで開業する場合、ほとんどがスケルトン物件で、返却時にもスケルトンの状態に戻して引き渡す契約になっている事が一般的です。壁や天井など、大きく手を加える必要があるでしょう。どの程度内装にこだわるのかにも寄りますが、2階以上の物件の場合150万円〜250万円程の費用がかかります。一方、路面店の場合は外装にもてこ入れする事が多いので、プラス100万円程度の資金が必要です。
2-2 マンション物件の場合
大掛かりな内装工事はできない場合がほとんどなので、物件探しの時点であまり手を入れなくても済むような物件を探しましょう。そうする事で、費用も抑えられます。簡単な内装なら自分でやれば材料費で済みます。
2-3 自宅ネイルサロンの場合
一般的には、元々ある間取りや内装を活かしたまま、壁紙を変えるなどきれいにして開業するのがほとんどです。ネイルサロン用に少しきれいにリフォームしたとしても、10万円程度の資金で賄えるでしょう。
3. 什器・備品・ネイル商材費
店舗の間取りやサロンコンセプトなどに合わせて、什器やネイル商材を揃えていく必要があります。ネイルサロンの開業に必要な道具などを紹介していきます。
3-1 什器材
- 施術テーブルと椅子
- ウェイティングスペースのソファやテーブル
- 陳列棚・キャビネット(物販用、保存用)
- 施術ライト、UVライト
- 電話、パソコンなど
什器材は間取りの広さによっても限られてきます。テナントやマンション、自宅でまるまる一室ネイルサロンにする場合なら、ある程度の広さは確保できるでしょうから、インテリアも統一感がありネイルサロンのコンセプトに沿ったものを揃えて、見た目も使い心地も良いサロンイメージを作れるようにするといいでしょう。スペースが限られている場合には施術テーブルと椅子、保管用キャビネット、施術ライト、UVライトなど最低限必要なものを用意します。
資金の予算としては、什器によって価格もまちまちなので一概には言えませんが、スペースが限られていて最低限のものだけならば5万円〜、テナント物件でかなりこだわった場合でも50万円程度あれば十分です。
3-2 備品・ネイル商材
- ネイルカラーケア用品
- ジェル用品
- アート用品
- タオル類
- ペーパーや消耗品類 など
ポリッシュやジェル、スカルプなどオールマイティーなネイルサロンを開業したいのか、それともジェル専門店で開業するのかなどによって必要な商材と資金が変わってきます。オールマイティーなネイルサロンの場合、それだけ揃えるものも増えるので40〜50万円程はみておいた方がいいです。ジェル専門店などであれば、10万円程度からが目安でしょう。
4. 広告宣伝費
口コミやHP、ブログからの集客がいかにできるかは非常に重要です。しかし、どんなにうまくいったとしてもこれらの“待ち”の広告宣伝活動の効果がでるには長い時間がかかります。ネイルサロンの開業直後からお客様に来てもらうには、自ら動いて広告宣伝活動を行う必要がありますが、これには以外と費用がかかります。
費用を押さえたい場合には、自分でネイルサロン周辺でビラ配りをしたり、ターゲット層の住宅にポスティングしたりと、地道に努力が必要です。逆に、開業資金に余裕がある場合には、地元情報誌やフリーペーパーに広告掲載する方法もあります。
開業前に、どのような広告宣伝、集客マーケティングを行なっていくのか、予算的にどのような広告宣伝活動ができるのか、しっかり考えておく必要があります。
5. 当面の運転資金・生活費
開業資金というと、ネイルサロンをオープンさせるまでと考えがちですが、忘れてはいけないのが当面の運転資金と生活費です。ネイルサロンの開業直後から多くの来店があり十分な利益がでればいいのですが、実際は軌道に乗るまで時間がかかってしまうのが普通です。心に余裕を持って経営していくためにも、当面の運転資金と生活費を確保しておきましょう。
運転資金として考えておくもの
- 店舗維持費(家賃、光熱費など)
- ネイル商材の仕入費用
- 営業諸経費(人件費、電話代、プロバイダ代など)
これらの費用が月々どのくらいかかるかをあらかじめ計算し、生活費と合わせてそれぞれ6ヶ月分は開業資金として勘定しておくと余裕が持てると思います。
6. まとめ
開業資金30〜50万円程度でネイルサロンを始めて、大きな売上げをあげて成功している方も多くいます。しかし、初めて開業する場合は特にですが、予想外のところで支出が出てしまうことも珍しくはありません。
ぎりぎりの開業資金でなんとかオープンしたはいいものの、軌道に乗るまでの期間の費用捻出ができずに、お店を畳まなくてはならないなんてこともありえるでしょう。このような事態を避けるためにも、余裕を持った正確な資金計画をする必要があります。