なんとなくを明確に!美容室開業までの流れ

美容室を退社してから開業準備、テナント探しを始めるという方が多いです。しかし、収入もなくなり資金をだんだん食いつぶしてしまうため、焦ってしっかり時間をかけた準備ができず失敗したというケースが多いです。そこで、今回は美容室の開業の流れを事前に確認して直前に焦らないように備えましょう。

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美容室の成功の約7割は場所で決まる

美容室の成功の約7割が場所で決まるといわれています。これが表しているのは「開業後に提供できるサービスやスキルと同等またはそれ以上に、開業に至るまでの戦略や準備が非常に重要だ」ということです。

美容室の開業はその後の人生を決める大きな転機です。だからこそ知識や準備不足で失敗はしたくないですよね。そこで今回の記事では、美容室の開業準備からオープンするまでの流れを紹介する中で、押さえておきたいポイントを解説していきたと思います。

開業までの流れを知ろう

想像してみてください。あなたは今勤めている美容室でカットスキルや接客スキルを積み、今後3年以内に独立を目指しています。それでは、今後3年以内であなたがやらなければいけないことなんでしょうか。以下に書き出してみましょう。

コンセプト→プランニング→資金計画→事業計画→出店準備→開業スケジュール作成→立地、テナント探し→機器探し→融資の申し込み→内装工事→広告宣伝、チラシ作成→スタッフ募集、面接→スタッフ教育→施術プランの決定→プレオープン→グランドオープン

順序に多少の誤差があったとしても一通りの流れは上記の通りです。開業への情熱は人一倍強いあなただとしても、この準備の多さには頭打ちになってしまいそうです。しかしこの準備期間を正しく整理しカテゴライズするとあなたがやることべきことは大きく以下の4つだけともいえます。

  1. 事業計画
  2. 借り入れ
  3. 物件
  4. 宣伝

次から美容室の開業の特徴を押さえながら解説していきます。

大枠を捉え、着実に準備をしよう

1. 事業計画

まず初めに取り組みたいのが、事業計画です。噛み砕いていうと、「誰に、どのような価値を、どうやって、提供するか」ということです。事業計画で詳しく見て欲しいのが以下のことです。

コンセプトメイキング

コンセプトメイキングは、あなたの作りたい店舗をより具体的にしていく作業です。

例えばあなたがサービスを提供したいコアターゲットが、20代のOLだとしたら、立地は駅の構内で、20時までは営業、値段設定の高い施術プランなどが考えられるでしょう。

コンセプトメイキングで心がけてほいしことは、あなたの店舗イメージを具体的に絞りこむことです。「90年代風の雰囲気にしたい」といった抽象的な店舗イメージでは、立地、値段設定、または第三者と共有する際に、範囲が広すぎて余計に時間がかかってしまいます。

ここではまず、店舗イメージを明確にして、選択と集中を心がけて下さい。ここにしっかりと時間をかければ、今後の準備で何をすればいいか、より明確になっていきます。

数値計画

美容室の開業の際は、第三者との協力が不可欠です。融資などの借入があるからです。

収益面での将来の展望を数字に落とし込み、まだ見ぬ店舗の成功を信用させなくてはいけません。また事業というのは継続できることが何よりも大切です。急なリスクにも対応できるように、しっかりと見積もりを立てておきましょう。

2. 借入

美容室の開業平均資金は600万円程度と言われています。

店舗を借りる、内装作り、機器費用、チラシやホームページなどの広告宣伝費、人件費、オープン後の運転資金、その他諸々を考慮すると開業資金の600万円は必須です。

美容室の開業では多くの方が、融資を活用します。その際に注意しておきたいのが自らが負担する自己資金額です。最低200万円は必要ですので、開業資金を600万円としたら、自己資金は融資資金額は、400万円必要だと分かります。

融資額が多くなるほど、開業後の返済により経営が圧迫することを考えると、自己資金をより多くの貯めることが賢明だと言えるでしょう。また融資資金する側の立場からいうと、自己資金額の大きさはあなたのやる気や本気度の指標ともなり得ることがありますのでその点にも留意しておく必要があります。

3. 物件

出店を考えている地域をピックアップし、その候補地域の市場調査、競合店調査、聞き取り調査などを行いましょう。調査結果をもとに、そこで開業した場合に既存店にいかに対抗していけるかを具体的に検討します。ここで注意したいのが、今働いている美容室の競合となってしまうような近い場所は選ばないことです。独立開業した際に暖かく応援してもらうためにも気をつけましょう。

同時進行で、「事業計画」を再作成していきましょう。テナント仮契約から最終的に契約までのわずかな間が開業を見送ることができる唯一の期間です。もう一度冷静に、調査結果をもとに計画を最終検討しておきます。

融資がおりたら、内装工事に取りかかります。この時にスムーズにいくためにも、内装業者とはよく話し合いを重ねておきましょう。

4. 採用(広告)

スタッフ採用

採用基準や給料規定、制服規定、福利厚生の決定、求人広告や接客マニュアルの作成をします。美容室にとって、スタッフの質は最も需要です。特にオープン時にはレベルの高いスタッフが欲しいですよね。また、採用後の教育も大事です。そのためにも早めの行動が不可欠です。原稿を作っておき、融資がおりたらすぐにでも広告を出せるようにしておきましょう。

求人広告のポイント

  • 新規オープンであることをアピールする
  • 具体的なサロンコンセプトを入れる
  • オーナーの熱意や想い、こだわりをいれる
  • 自分ならどんな求人広告をみて、面接に行ってみたいと思うかを意識する

スタッフ教育のポイント

  • お店のポリシーを理解させ、それに基づいた行動を意識させる
  • それぞれのスタッフの技術や性格を可能な限り把握する

チラシ作成

初めてのチラシ作りは相当時間がかかるので、前もってどんな内容を盛り込むか考えておきましょう。また、普段から新聞の折り込みチラシなどを意識を持ってみるように心がけましょう。いいと思ったものは、ファイリングしておいてもいいかもしれません。また、費用対効果を上げるためにも、チラシ配布する対象も考えましょう。新聞の折込チラシであれば、そのエリアの発行部数を各新聞会社に問い合わせて確認しましょう。

チラシのポイント

  • 新聞折込であれば曜日や時間を意識する
  • チラシが配られる地域の人たちが見込み客かどうかを考える
  • オーナーの顔写真付きで、挨拶や自己紹介、美容室開業の想いをいれる

おわりに

今回は、美容室における開業準備の流れとその要点を紹介しました。

開業準備では余裕を持ったスケジュール作成と全体を見通し着実にこなす力が必要です。また開業準備は一見、地味で気が乗らない作業も多くあり、予期せぬところで問題が発生することも多々あります。

しかし、あなたが意図する顧客に対して、最良のサービスを提供したいという情熱を忘れず、一生に一度の開業経験を楽しみましょう。

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