1. はじめに
2020年の東京オリンピック開催や今でも続く被災地の復興に伴い、施工の需要は現在ピークに達しています。ピークが収まったとしても内装工事を行う専門業者は年々減少しているため、需要がなくなることはないと言われています。
人手不足を少しでも解消するために、施工会社は新しいパートナーの専門業者を見つけなければなりません。
では新しい専門業者はどのように見つければ良いのでしょうか?
2. 専門業者と出会うには?
2-1 紹介してもらう
ITが浸透していない建築業界で最も重要視されるのが、人と人との繋がりです。つまり繋がりを利用して、新しいパートナーになりえる専門業者を紹介してもらうという方法です。紹介してくれる可能性が見込めるのは、下記の4パターンです。
- 専門業者からの紹介
- 設計会社からの紹介
- 施工会社からの紹介
- 資材業者からの紹介
専門業者からの紹介
まず専門業者はみなさまの想像以上に横の繋がりが強いです。また専門としている業種により閑散期・繁忙期が違ったりします。よって専門業者から別の専門業者を紹介してもらえることが多いです。
設計会社からの紹介
特殊な設計・加工を得意とする設計会社は、パートナーの専門業者がいることがよくあります。設計会社がオフィスを構える建物の中に専門業者もオフィスを持っていて、実現可能なデザインか相談しながら新たなデザインを模索して設計を進める会社も実際に多く存在します。よって設計会社から専門業者を紹介してもらう場合は特殊な技術に特化している可能性が高いため、自社が探している専門業者とマッチしない可能性もあります。しかしマッチした場合には、新しいデザインの施工に挑む高い技術を持った専門業者と出会える可能性が大きくなります。
施工会社からの紹介
どこの施工会社も専門業者の人手不足に悩んでいることが多いため、紹介してもらうのが難しいこともあります。しかし専門業者を抱えすぎて案件が足りず仕事を回しきれていない会社や、閑散期・繁忙期の関係で自社が忙しい時に仲間の施工会社が暇なこともよくあります。そういった場合には専門業者を囲みすぎずに、同じ施工会社同士助け合って人手不足を乗り越えていきましょう。
資材業者からの紹介
メーカーから資材を仕入れて施工会社に卸売している会社は、専門業者にも直接卸売している場合がほとんどです。特に大手の資材業者は全国に拠点があり、様々な専門業者と繋がりがあります。地方の案件を受けたときでも、その土地の専門業者を紹介してもらえる可能性があります。場所や専門を越えて多くの専門業者と繋がりがある資材業者は人脈の宝庫です。是非新しいパートナーの紹介をお願いしてみましょう。
2-2 ホームページに専門業者募集のフォーム作る
自社のホームページを持っている会社は、専門業者募集のフォームを作ると良いでしょう。新しい専門業者を緊急で探しているわけではない場合、待っているだけで新しい専門業者が見つかります。応募してくれた専門業者とは面談を行い、自社の方針と合うのかをしっかりと確認しましょう。1度募集フォームさえ作ってしまえば、専門業者からの連絡を待つだけになります。とても簡単な方法なので、是非試してみてください。
2-3 インターネットで検索
ホームページを開いている専門業者を探す方法もあります。インターネットで専門業者を検索して、HPに記載されている電話番号やメールアドレスに直接連絡する方法です。専門業者が一覧になっているサイトもあるため、利用してみるのも1つの手かも知れません。
依頼したい案件が決まっている場合はその案件の説明をしたり、過去の施工案件を提示したりして信頼を得ましょう。これもとても簡単な方法なので、閑散期の時間がある時に試してみるのも良いかもしれません。
2-4 直接声をかける
施工管理をしていると商業施設などの大きな現場であれば、他の工事も同時に行われていることが往々にしてあります。「腕がいい!」と思った専門業者を見つけたら、名刺を渡したり連絡先を聞いたりして一期一会の機会を逃さないようにしましょう。
実際に声をかけた経験がある施工管理者のお話によると、実際に会って話している分、Web上で連絡を取って依頼するよりも依頼を受けてくれる可能性が高いそうです。思い切って話しかけてみる価値は充分にあります。
しかし、元請けになっている施工管理会社からは嫌がられる可能性もあるため、やり過ぎには注意が必要です。最低限のマナーは守りましょう。
3. 出会った専門業者と自社の相性
ここまで専門業者の探し方の4つの方法について見てきました。
では実際に出会えた専門業者と良いパートナー関係を築けるか否か、判断するためのポイントを確認していきましょう。
3-1 人柄
どんなに腕のいい専門業者でも、人として相性が合わない場合はいい仕事ができません。具体的には時間や約束を守るか、自社の考え方や仕事の進め方に共感してくれるかなどが判断ポイントになります。また自社と良いパートナー関係を築けるだけでなく、他の専門業者ともうまくコミュニケーションを取れるかも判断しなければなりません。
自分の専門さえ良ければよいといった考え方を持っている専門業者は、他の専門業者との兼ね合いが必要な工事現場では大きな問題となります。「施工を管理する」というマネジメントの視点を忘れずに、「一緒に働きたいか、働きたくないか」に重点を置いて協力専門業者を探しましょう。
3-2 技術
人柄と相性をクリアしたら、次は技術に重点を置いて判断しましょう。自ら声をかけて出会った専門業者や、紹介で出会った専門業者の技術はある程度把握できるかもしれません。しかしインターネット上で知り合った専門業者の技術は、やってみないと分からないことが多いです。対策として、過去に施工した案件の写真をチェックをしたり、実際に足を運んで自分の目で確認したりすると、専門業者を選定しやすくなるでしょう。
3-3 給与
人柄も技術も自社の求める条件にマッチしていれば、あとは給与だけです。給与は施工面積とスピード、仕上がり、満足度などの様々な要素から計算されるでしょう。お互いが納得できる額で折り合いを付けられたら、いよいよ一緒に仕事です。
最初はリスクの低い案件を依頼し、仕上がりをチェックします。満足のいく仕上がりだった場合は、次回からも依頼するとよいでしょう。これを続けることで信頼関係が築かれ、将来良好なパートナーとなるのです。
4. おわりに
専門業者の探し方と、そこで出会った専門業者と良いパートナー関係を築けるか否かを判断する方法について確認してきました。様々な方法がありましたが、自社にあった方法を見つけることはできたでしょうか?
また専門業者と良いパートナー関係を築くための秘訣は、対等なパートナーとして下請け扱いせずに付き合うことです。専門業者がいなれば施工会社は受注することすらできないのです。専門業者を一同に集めて感謝祭をする施工会社もあります。
専門業者の人手不足が深刻化する中、新しいパートナー探しや良好なパートナー関係構築の一助になりましたら幸いです。